日本では、成人の約10%が不眠に悩んでいると言われています。
不眠に悩む方の中には、きちんと疲れをとりたいが薬は使いたくない、今飲んでいる薬を止めたいが出来ないなど、治療に関する不安を持つ方もいらっしゃいます。
また、ご本人が悩んでいても、周りからは “それなりに休んでいる” と思われて、認識がずれやすい病態の一つです。
まず、現在の睡眠や日中の活動などについて、詳しくお尋ねします。
・うつ病など、不眠症以外の病気が併発していないか
・睡眠時無呼吸症候群など、身体疾患が原因となっていないか
(必要に応じ、睡眠時無呼吸のスクリーニング検査、または他科コンサルトを行います)
・どんな種類の不眠の問題があるか(入眠障害・睡眠リズム障害etc.)
1.睡眠衛生指導
睡眠の記録を付けていただきます。
それを元に、質の良い睡眠を得られるように生活習慣について相談していきます。
夜勤がある方は、どのように睡眠リズムを確保するか相談します。
2.不眠症に特化した認知行動療法
眠れなくなることが不安という方に、臨床心理士による認知行動療法を行います。
(隔週計6回全部を受けられる方が対象になります。)
3.薬物療法
どういう場合には服薬した方がいいかなど詳しくご説明し、漸減や中止についても適切な時期にご提案します。
うつ病などで症状が重いときは、まず睡眠をある程度深く長く取って頂くことが必要です。その時期にそのまま不眠を続けていたり、無理に薬を減量しようとしたりすると元の病気が重くなり、不眠も益々悪化します。
睡眠薬を減らすタイミングは、まず全体の症状が安定することが前提です。その時期も含め主治医にご相談ください。